1. 導入:なぜ「古物の盲点」が危ないのか
「うちは中古品なんて扱っていないから、古物商許可はいらないはずです。」
こうおっしゃる事業者さんは少なくありません。
しかし詳しくお話を伺うと、
- 返品された商品を“アウトレット品”として販売している
- フリマアプリで仕入れた商品をネットショップで売っている
- 自社で使っていた備品をメルカリに出している
といったケースが出てくることがあります。
実はこれらの中には、古物営業法上の「古物」に当たるものが含まれます。
つまり、「中古品のつもりはないけれど、実は古物だった」という盲点があるのです。
この記事では、意外と見落としがちな「実は古物になる商品」をご紹介します。
2. 古物の基本的な定義(かんたんに)
古物営業法でいう「古物」とは、ざっくり言うと次のようなものです。
一度使用された物品
使用されていないが使用のために取引された物品
それらに幾分の手入れをした物品
ポイントは「一度、誰かの手に渡ったことがあるかどうか」です。
「中古か新品か」という感覚よりも、「流通の経路」が重視されます。
3. 「え、これも古物?」という意外な5つのケース
① お客様からの返品商品を再販売する場合
一度お客様に販売した商品が、サイズ違いなどで返品されることがあります。
- 開封済み
- 未開封だが、お客様にいったん引き渡した
このような商品を、再度別のお客様に販売する場合、
古物に当たる可能性があります。
事業者側の感覚としては「ほぼ新品」「未使用品」でも、
法律上は「一度消費者に販売されたもの」であり、
古物とみなされうる点に注意が必要です。
② 自社で使っていた備品・什器を売る場合
こんなケースもよくあります。
- 事務所で使っていたデスクや椅子、棚をネットで売る
- 店舗で使っていたパソコンやプリンターをフリマアプリで売る
- 店舗で使っていたハンガーラックやマネキンを他店に譲る(有償)
これらは明らかに「一度使用された物品」ですので、
継続的に売買するのであれば古物商許可が必要になります。
「不要品を一度きり処分する」程度なら問題ない場合もありますが、
業として繰り返し行う場合は、古物営業法の範囲に入ってきます。
③ フリマアプリ・オークションで仕入れた“新品同様品”を売る場合
最近多いのが、次のようなビジネスモデルです。
- メルカリやヤフオクで人気商品を仕入れる
- 自分のネットショップや別のフリマアプリで販売する
出品者の説明には「新品同様」「未使用に近い」「未開封」と書かれていることも多いですが、
一度個人の手に渡っている以上、古物に該当する可能性が高くなります。
「仕入れ先が法人か個人か」「一度販売されたものかどうか」
といった点も、古物に当たるかどうかを判断するうえで重要になります。
④ ノベルティや景品を仕入れて販売する場合
企業が配布していたノベルティグッズや、
イベントの景品として配られたグッズを仕入れて販売するケースもあります。
- 企業ロゴ入りグッズ
- キャンペーン限定のキャラクターグッズ
- コンサート・イベントの来場者特典 など
これらも、一度配布された時点で「誰かの手に渡っている」ため、
古物に当たる場合があります。
とくに、ノベルティや限定グッズはコレクター需要が高く、
仕入れて販売するビジネスも増えていますので注意が必要です。
⑤ 他店の在庫処分品・アウトレット品を仕入れて販売する場合
小売店同士での在庫処分も盲点になりがちです。
- 閉店するお店の在庫をまとめて引き取って販売する
- 他社のアウトレット品・B品を仕入れて、自店で販売する
これらは「一度販売のために流通した商品」であり、
古物に該当するケースがあります。
「メーカーから直接仕入れた新品」なのか、
「一度どこかの小売店の在庫として流通したものなのか」を
整理しておくことが大切です。
4. 「これは古物じゃない」ケースとの違い
逆に、次のようなものは一般的に古物に当たりません。
- まだ誰の手にも渡っていない、新品をメーカーや卸から仕入れて販売する場合
- 自分や家族の私物を、一度きりフリマアプリで売るだけの場合(業として反復継続していない)
ポイントは、
- 「新品仕入れ → そのまま販売」の流れかどうか
- 「業として」「反復継続して」取引をしているかどうか
といった点です。
5. もし古物に当たるならどうすればいいか
もしこの記事を読んで、
- 自分の取り扱い商品の中に、古物になりそうなものがある
- ネットショップやフリマでの仕入れを利用している
- 返品品やアウトレット品の販売が多い
という場合は、一度、古物商許可の取得を検討されることをおすすめします。
古物商許可を取らずに事業として古物を扱うと、
思わぬ行政処分や罰則につながるおそれもあります。
6. まとめ:まずは「うちの商品は古物かも?」と気づくことから
- 古物かどうかは「新品か中古か」という感覚だけでは決まらない
- 一度誰かの手に渡った商品や、返品品・アウトレット品などは古物になることがある
- ネット仕入れやノベルティ、在庫処分品など、盲点になりがちなケースが多い
まずは、ご自身のビジネスで扱っている商品を一度洗い出し、
「これは古物に当たるのか?」
という視点で見直してみてください。
もしご不安な点があれば、
古物商許可が必要かどうかの判断や、許可申請のサポートも行っています。
お気軽にご相談ください。

コメントを残す