カテゴリ:古物商許可|帳簿記載|確定申告|副業
はじめに
古物商許可を取得したあと、意外と見落とされがちなのが**「帳簿の記載義務」**です。
許可を取ることがゴールではありません。許可取得後も、法律で定められたルールをきちんと守って営業を続けることが求められます。その中でも特に重要なのが帳簿(取引記録)の管理です。
さらに、古物の売買で収益が出た場合には確定申告が必要になるケースもあります。
この記事では、古物商が知っておくべき帳簿記載義務の内容と、確定申告の基礎知識をわかりやすく解説します。
古物商の帳簿記載義務とは
古物営業法第16条では、古物商に対して取引の記録を帳簿(または電磁的記録)に記載することを義務付けています。
これは、盗品の流通防止や犯罪捜査への協力を目的とした制度です。警察が求めた場合には帳簿を提示する義務があります。
記載が必要な取引
古物を買い取ったときには、原則として帳簿への記載が必要です。販売のみ(委託販売を除く)の場合は記載義務の対象外となりますが、買取を伴う取引はすべて記録が必要と考えておくのが安全です。
帳簿に記載すべき項目
古物営業法施行規則により、記載すべき主な項目は以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 取引年月日 | 買い取った日付 |
| 古物の種類・品名 | 品目・品名(例:衣類、時計など) |
| 特徴 | 色、型番、刻印など識別できる情報 |
| 数量 | 個数 |
| 取引の相手方 | 氏名・住所・年齢・職業 |
| 確認方法 | 本人確認書類の種別(運転免許証など) |
相手方の本人確認は、運転免許証やマイナンバーカードなどの公的身分証明書で行う必要があります。身元確認を怠ると、それ自体が古物営業法違反となりますのでご注意ください。
帳簿の保存期間
記載した帳簿は、最後に記載した日から3年間保存しなければなりません(古物営業法施行規則第17条)。
紙の帳簿でも、パソコン上の電磁的記録でも構いません。ただし、警察から提示を求められたときにすぐに出せる状態にしておく必要があります。
帳簿を記載しなかった場合の罰則
帳簿の記載義務に違反した場合、古物営業法第35条により10万円以下の罰金が科される可能性があります。
「面倒だから」と後回しにしていると、思わぬペナルティを受けることになりかねません。取引のたびにこまめに記録する習慣をつけることが大切です。
古物商と確定申告の関係
古物の売買で利益が出た場合、その収益は原則として確定申告の対象となります。
個人の場合
個人で古物商を営む場合、その所得は原則として事業所得または雑所得として申告します。
- 事業所得:古物売買を主たる事業として継続的に行っている場合
- 雑所得:副業的に行っており、規模が小さい場合
なお、2022年分の所得税から、副業の雑所得が年間300万円を超える場合は、帳簿の保存が義務付けられています。
法人の場合
法人で古物商を営む場合は、古物の売買による収益も含めて法人税の申告を行います。
自分の持ち物を売った場合は?
自分が個人的に使っていたものを売った場合、原則として譲渡所得の扱いになります。生活用動産(家具・衣類・家電など)の売却益は非課税ですが、貴金属・宝石・書画・骨董などで1点30万円を超えるものについては課税対象となりますので注意が必要です。
注意!フリマアプリの売上も申告が必要なケースがある
「フリマアプリで売っているだけ」という方も、年間の利益が20万円を超えた場合(給与所得者の場合)は確定申告が必要です。
また、専業主婦の方でも、フリマアプリ等の売上が年間48万円を超えると所得税の申告義務が生じます。
まとめ
古物商が許可取得後に守るべき主なルールを整理します。
- 買取取引のたびに帳簿に記載する(古物営業法第16条)
- 帳簿は3年間保存する
- 相手方の本人確認を必ず行う
- 売買で利益が出たら確定申告を行う
許可を取っただけで安心してしまう方が多いのですが、許可後のルール遵守こそが、長く安心して営業を続けるための基盤です。
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